『川の名前』(川端裕人 ハヤカワ文庫 / 479P 735円)
ISBN 4−15−030853−5
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◆ 内容と感想
川端裕人さんは小説家です。
日本テレビ入社後、気象庁や科学技術庁(当時)の担当を経て退社。
『夏のロケット』や『リスクテイカー』などを書いています。
リヴァイアさん、日々のわざ(川端さんのブログ)
http://ttchopper.blog.ocn.ne.jp/leviathan/
『川の名前』は、少し長めの小説です。
ある夏、小学五年生の「脩」「ゴム丸」「河童」が
暗渠の中に巣を作っているペンギンを見つけるところから、
物語は始まります。
と言っても、ありがちな「夢見がちな和風空想小説」ではなくて、
現実的な描写があちこちに見られます。
いまの日本にはペンギンが巣を作っていても不思議はないんですね。
脩を中心に描きながら、その周りの世界が少しずつ見えてきます。
もちろん子どもたちがたくさん出てきますが、大人も少々。
魅力的な大人が少ないのも現実的と言えるかもしれません。
「川の名前」についてかなりざっくり説明すると、
人にはそれぞれ所属する川がある、それをミドルネームにしても
いいじゃないか、ということです。
GTAならば、相模川の流域で生まれたから、荒川・相模川・良幸。
なかなかおもしろい考え方です。
世界を見る目が少し変わります。
事務所のエアコンがいまひとつ効かないなあと思いながら、
読み進めました。
けれど、暑いときに読むのがこの本には合っていますね。
いまどきはどうなっているのかよくわかりませんが、
子どもの頃は川遊びをよくしたよなあと懐かしくもなります。
あの夏のにおいにふれたい人にぜひおすすめの一冊です。
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◆ 今日の「学び」
この人はこういう人、という思いこみを捨ててみるといい。
視野が広がると、見えるものもある。
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