『夜のミッキー・マウス』(谷川俊太郎 新潮文庫 / 105P 340円)
ISBN 4−10−126622−0
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◆ 内容と感想
谷川俊太郎さんは詩人です。
……あらためて説明はいらない気もしますね。
中学や高校の教科書で「二十億光年の孤独」という詩を
読んだことがありませんか?
「或いはネリリし キルルし ハララしているか」
という一文が印象に残っている人も多いんじゃないかと思います。
『夜のミッキー・マウス』は、谷川さんの何冊目かの詩集です。
いろいろな詩を三十篇ほど収録しているんですが、
あとがきに書かれているように形式はさまざまです。
「なんでもおまんこ」なんて題名のものもあって、
ちょっとびっくりしました。
「二十億光年の孤独」からずいぶん遠くに来たんだなあ、と
しみじみしたりもして。
印象に残った詩が四つ。
「あのひとが来て」
(時間は永遠の娘 歓びは哀しみの息子)
「忘れること」
(限りない流血も人を賢くしない)
「ひとつまみの塩」
(気づかずに他のいのちを貪るぼくのいのち)
「闇の豊かさ」
(私は知る 自分と世界を結ぶ闇の豊かさを)
自分をみつめたくなったときに読むといい一冊です。
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◆ 今日の「学び」
誰の中にも自分だけのことばがある。
誰もに伝えようとするのではなく、
誰かに伝えようとするべきなのだ。
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